所長挨拶[Message]

合掌
 本年五月、肉倉堯雄所長の宗務所長における四年間の任期満了にあたり、その職を辞されることを受け、このたび小生が宗務所長を拝命致しました。小生、素より浅学非才ではございますが、少しでも北部のために尽力できればと思っております。管内各聖におかれましては、何卒ご指導ご鞭撻のほどを宜しくお願い申し上げます。
 前任の肉倉所長におかれましては、令和元年五月より四年間、望月兼雄所長の残任期間の約一年間を含めますと、五年間にわたって宗務所長を務められました。
 改めて言うまでもありませんが、世の中は令和二(二〇二〇)年の元日に、「中国で原因不明の肺炎」として初めて報道された、「新型コロナウイルス感染症」により、三年余りの長きに亘り、感染対策を余儀なくされました。そして、本年五月八日、政府は季節性インフルエンザと同じ五類の対応へと移行し、一応の節目を迎えました。
 この間、宗門におきましては、「日蓮大聖人御降誕八百年」をはじめとする様々な行事が、中止や延期、縮小での開催となりました。
 まさにこのような混乱の時期を、肉倉所長は常に冷静かつ的確な判断のもとに舵を取られ、乗り越えられました。ここに敬意を表するとともに、謹んでご慰労を申し上げたいと存じます。
 一方、内局におきましても、このたび長年勤められた役職を退かれた方々があります。そのような方々に対しましてもまた、心から感謝とご慰労を申し上げます。
 さて、最近のニュースなどで、「四年ぶりの」という言葉を多く耳にするようになりました。そのように、様々な行事が四年ぶりに開催されています。そして宗門内もまた、様々な行事が開催され始めています。
 ご承知のとおり、祖山では身延入山七五〇年にあたり関連する行事がおこなわれていました。日蓮聖人は身延山におかれ約八年間お過ごしになられ、弘安五年に池上において御入滅なされましたので、おのずと八年後の令和十三(二〇三一)年には、日蓮聖人第七五〇遠忌を迎えることになります。これから遠忌に関連する諸行事の開催に向け動き出すことと思われます。管内においても、それに携わり進めて行くことになります。
 管内の寺院・教会・結社におかれましては、これから遠忌に関することで、さまざまな面でのご協力を仰ぐことになろうかと思います。何卒ご理解ご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
 ところで、いま仏教界、ことにお檀家を有し、そのお布施を主な収入源とする寺院においては、この十年という歳月の間に、大きな変貌を感じている方があるかと思います。それは少子化や後継者問題とも関連しますが、たとえば、葬儀は「一日葬」や「直葬」、墓地は「墓じまい」といった言葉が出来、あたりまえのように使われるようになりました。また法事も、大人数を集めて行う形は減少傾向で、少人数の法事が増えています。そしてこの度の、「新型コロナウイルス感染症」により、規模の減少傾向は拍車を掛けました。
 これは一例ですが、間違いなく寺院運営の在り方は、転機を迎えているように感じています。これから五十年後、いや三十年後を過ぎたとき、寺院が存続できるよう、今からでも僧侶一人ひとりが知恵を出し合い、行動していかなければならないと痛切に感じます。
 最後になりましたが、可能な限り管内各聖のお一人お一人の声に耳を傾け、北部のため、宗門のため精進していく所存です。
 宗務所内局一同、一丸となって努力致しますので、より一層のご支援のほどを宜しくお願い申し上げます。

再拝

東京都北部宗務所所長 荒居稔宣

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